2019年01月05日
宮古ふつ(方言)オノマトペ駄洒落再興190105
宮古の方言は独特の言語世界があるような気がしています。
「読めば宮古」が売れた理由は、自分たちで「何言っているかよくわからないけれど、自分たちの言葉が面白すぎるから、自分たちでおしゃべりするように、書いてみようよ、残してみようよ」だったと思います。
いまさら、しなじぇーと聞いて、笑える人はどれだけいるだろうか。
わたしたちは、宮古はじめての近代バブルの申し子ですから、新しい言葉を作る余裕があったのだと思う。
ちなみに、しなじぇーは、市内をブラブラする、かっこつけてるジェームス・ディーンです。
なんだ、そりゃ、ですが、わたしたちは、この言葉をガンガンに使い、こよなく愛したのです。
で、「読めば宮古」の話しに戻ります。
当時、私は難病になって、結婚して、暇すぎて、毎日考えていたのです。なんの編集経験もないのに、突如、頭がフル回転したのでした。
そして、新城和博さんという、あこがれの沖縄若手名編集者と仕事がしたかった。
それまで宮古毎日新聞で型通りの記事、フリーランスでナレーション台本を書いていたのも大きかったと思うのです。日本語ですら、書き言葉とよみ言葉にあわいが半端ない。
その先の標準語というか、日本語と宮古ふつのあわいをユラユラしているうちに、まるで織物をするように(宮古上布とは言わん、笑)手はキーボードを打ち、足はクイチャーを踊るように仲間たちのところへ向かったのでした。で、本ができた。
あのときの、みんなの情熱はなんだったんだろう。自分も含め、かえすがえすも不思議。
ちなみに、宮古方言は絶滅危機言語です。
じゃぁ、わたしたちは、絶滅するか。
否。
わたしは死ぬけど、宮古ふつの、宮古言葉の言霊的なものは、身近だと娘に、友人に、本を読んでくれる人に伝わるんじゃないか、と思っています。
言語学的に、民俗学的に、歴史学的に、まじめに言葉を分析することは他の人にまかせてもいい。
ていうか、わたしはできない。
でも、わたしは、宮古ふつを遊ぶことができる。
宮古ふつを予祝的に使う祭祀行事と同じだ。
久高島のイザイホーが悪いとは言わないのですが、ノロを中心にした祭祀は、どこか硬苦しく上下を感じる。
では、なぜ宮古がなぜ予祝的と感じるか。
大きな声では言えないが、おままごとに見えるのだ。仰々しくなく、カーニヴァル的。かわいらしい。女性がワイワイと次の段階へ行くような。
みんなシャーマンが合言葉のような。ノロはいるにはいるけど、とりまとめでしかなく、すごぉおおおおおくえらい!って感じはない。
久高では、誰が跡継ぎだとか、いろいろもめている話もきく。宮古だって、そういう人はいるはいるけど、威張れば威張るほどバカにされるし、こづかれる。
46,7歳からの参加なので、閉経を考えると、子どもを生むという世間の義理は果たした、という喜びに満ちている。
子どもを産まない人でも、同じではないだろうか。もしくは、男子を産まないことで、嫌味を言われなくても済むし。まわりがあきらめてくれる愉快さ。
さて、言葉に戻ろう。
オチのないエロは大嫌い、と普段公言しているのだけど、最近、自分でその理由はわかったような気がしている。
私にとって、日本語のエロは、英語のエロと同じに聴こえてしまう。どぎつい。私には刺激的過ぎて、気持ち悪い、笑。
でも、宮古ふつのエロ言葉は笑いしか生まれない。
陽気で、開放的。それは、生活の中にあったからで、当たり前で、どうでもいいことだからかもしれない。こうして、日本語と宮古ふつの間をあれやこれや考えているのが楽しいのだ。
陽気ぐらしを地でいきたい。言葉や物語にひたりながら。
あ、また妄想にとんだ、笑。
えーと、なぜ再興と私が書いているかなのですが、日本語で言う駄洒落は、実はこのキーボード変換にあるような気がします。昨日もそうなのですが、ギリギリ間に合った、をギリ間に合った、と変換しようと思って、義理間に合った、になってしまう。シュールな気持ちになります。
それは、先のしなじぇーと少し似ています。
わたしたちは、液体がかかると、あいじゃ!という民族で、そのあいじゃ!という宮古身体的言語と、しなじぇー的宮古的ニューワードを両輪にするのです。
まさに、あの世とこの世のあいだなのです。
かんしーきゃーぬ、みゃーく!
(こうしているうちが、生命のダンスを踊っているのだ)と、勝手に和訳してみました。
今日は、これから、谷川ゆにたちと山伏の家で魔女会合してきます。
谷川は、谷川健一さんのめいっこです。
宮古でメタモルフォーゼして、いきなり私の前に現れた、笑。
書いたらいいよ!と言ったら、学者なのに、とびこえて、こちらにやってきたひと、という感じです。
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784106107948
Posted by 宮国優子 at 14:21│Comments(0)
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