2019年01月04日

あんたがわかるさ問題190104

あんたがわかるさ問題190104



さて、ラスト。宮古三大マジックワードのひとつ。(勝手に命名)
「あんたがわかるさ」について書きます。

この言葉は誤解を生む言葉でもあります。
私は、標準語はそこそこ上手になりましたが、それでも、なぜその言葉がトラブル生むのかわかりませんでした。

「あんたがわかるさ」

この言葉を宮古の人はよく使います。
言葉通りなのです。

これも何度も書いているので、自分の記事から抜粋します。
https://miyako3892.ti-da.net/e9296248.html


~~~~~~~~抜粋ここから~~~~~~~~

宮古の人は、悩ましい問題を相談されたら答えとして「あんたがわかるさ」と言います。これは、お前が考えろ、お前の自己責任だ、ということではありません。そんな冷たい言葉ではないのです。

「あなたが決めなさい」ということです。そして、それは、聞いてしまったから、私たちはこのような深い話を共有したのだから、最後までいっしょにあなたが決めたことを、ともにまっとうしましょう、ということです。

宮古の人のメンタリティは、言葉に現れます。ですが、言葉だけでは伝わるとは思えません。ともに時間を過ごせば、徐々にわかってくるのだと思います。それは、決して、いい人だと言うことではありません。

時には、弱く、ずる賢く、立ち回らなければ、人間は生きていけない、ということを実生活で深く知っているというだけのことです。だからこそ、打ち明けてくれたひとには心を砕いて、ともに添おうとする心が働くのです。たとえ、それが人にそしられることでも、相手に添うのです。今回の絵にあるように、まるで一対一の恋愛の対話のように、同じ人間になれなくても、心を添わせるのです。

~~~~~~~~抜粋ここまで~~~~~~~~


まぁ、これに書き加えることがあるとしたら、今回の絵と内容はこのURLで御覧ください。
前回の市長選のときのこと、SNSがもめるので、ブログに書いたんだっけ・・・。
https://miyako3892.ti-da.net/e9296248.html

あとは、イントネーションくらいでしょうか。
ただ頷くように「あんたがわかるさー」と言うのです。

最近、思うのです。私は普段、日本語を話しているけれど、実は、あんまり真意が通じてないな、と。日本語が下手か、とも思うのですが、前提条件がちがうんじゃないか疑惑を勝手に想像してます。

はっきりと口に出して解決することは、争いの種になるとは思っていません。
なぜなら、島は逃げ出せない環境にあるので、(多分、日本の村も同じかも)できるだけ言葉にして、解決します。ずっと貧しかったであろう島の暮らしは、その解決能力の部分をその時代によって発達させるのかもしれません。

これを本土の人が真似すると、痛い目にも合うような気がします。なぜなら、共有している世界がちがうので、言葉の意味が少しずれます。

笹森儀助が「南島探検」で書いた「剽悍の気風」はまさに島のローカルルールが前提だからです。ズバズバ言っているようなひとも、よく聞いてみると、意外と繊細な言葉遣いをしています。

それから、宮古の人と話していて、早いと思うのは、優先順位の付け方です。
余裕があることに対しては、意外と悠長ですが、そうじゃないことに関しては即断即決に見えます。

基本的に何事にもかかわらないという選択はしにくい島ぐらし。
相手が口火を切ったことに関しては、かかわらざるをえないものなのです。
良きも悪しきも、ですね。


今日、朝、作家の頭木弘樹さんのツイートを見て、そのラジオ番組を聴きながら、仕事をしていました。


それで、わたしたちはこんなやり取りをしました。


頭木弘樹 今月新刊『NHKラジオ深夜便 絶望名言』 来月新刊『絶望書店 夢をあきらめた9人が…』@kafka_kashiragi
【ようやく、聴き逃し配信が始まりました!】
NHK「#ラジオ深夜便」
『#絶望名言 #向田邦子』です。
こちらでお聴きいただけます。
https://www.nhk.or.jp/radio/player/ondemand.html?p=0324_07_22504
1月10日(木) 午後6:00配信終了です。
お正月といえば向田邦子ドラマという時代がありました。
よろしかったらお聴きください


宮国優子@3892yuko
頭木さんとはじめて会った時のことを思い出す。頭木さんが食べられるか食べられないのか、気にならなかった。自分が食べたいかどうかしか興味がない。だから相手の食事やペースにまったく頓着していないのかも。あ、宮古島の話、してる。14分くらいのとこ。

頭木弘樹 今月新刊『NHKラジオ深夜便 絶望名言』 来月新刊『絶望書店 夢をあきらめた9人が…』@kafka_kashiragi
そうです!宮国さんとお会いしたときのことです。勝手にしゃべってすみません。あのとき、ひそかに感激していたのですよ

宮国優子@3892yuko
何回かお書きになっていて、これは私のことなんだろうなぁと思っていました。私はいつも自分が精一杯ギリギリなので、何も気づかないというのもあります。人の食、性、金に関して、相手が表現しない限りなにか言うのは越権行為に思えるという歪んだ深層心理を自分で感じてます、笑。


頭木弘樹 今月新刊『NHKラジオ深夜便 絶望名言』 来月新刊『絶望書店 夢をあきらめた9人が…』@kafka_kashiragi
いやいや、「歪んだ深層心理」ではなく、素晴らしいことだと思います


という、やり取りでした。頭木さん、フォローありがとうございました、笑。

わたしにとって、「あんたがわかるさー」は、こうして相手が何をしていようが見て見ぬふりではなく、まるごとそんな人もいる、と思えることです。なので、ある意味、その人の行動に興味もないのです。口にあわないのかなとか余計な心配はしない。
頭木さんがご飯を残していたとしても、自分が痛かったり痒かったりしたら別ですけど、私は痛くも痒くもないし。

実は、日本的に言うと、かなりドライなのかなとも思うのです。
「思いやり」とか、「察する」とか、私にはテレパシーとしか思えない。
勝手に私が決めて良いものじゃない。

ただ、あなたはどう思っているのか?と聞くこと自体が、実は日本的にはタブーと言うか、相手を責めるように聞こえるってこともあるらしい。
私は聞かずに察しられた方が嫌なのだけど。それ間違いかもしれないじゃん、笑。

答えるっていうことは、責任が生じるってことでもありますね。

私は、相手がはっきりと答えず、その「漠然とした心配」みたいなのをさせられると、ストレスがMAXになりやすい・・・・ということもわかってきました。


まぁ、こういうとこが、意外と「あんたがわかるさ」表現としては難しいんじゃないかと思っています。実は、こういう言葉の使い方がネイティブ宮古と移住者や観光客のあいだで、溝になっているんじゃないかと思うのです。

島はフリーライダー(タダ乗り)は難しいですから。
何事にも責任を求められる島の暮らしは、都会の人からは分かりづらいメンタリティに仕上がっているように思います。


おぉ、ギリギリ4日目、なんとかなりました。



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Posted by 宮国優子 at 23:17│Comments(0)日常閑話
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